WORKS
―ダダンでのおしごと―

これがいないと始まらない!
★演出★脚本★役者

スタッフのお仕事とは?
●舞台監督●舞台美術●照明●音響●衣装●小道具●宣伝美術●制作


演 出

浩人、すごい形相で下手のドアから出てきて、ドアを後ろ手で閉める
そして、ゆっくり千尋のほうを向く


これは2009年1月に行われた劇団ダダンの公演の脚本の一部です。このたった2行の脚本だけで何万通りもの芝居が可能なことにお気づきでしょうか?

 浩人のすごい形相ってどんな顔?ドアから出てくると書いてあるけどそのドアの開け方は?「ゆっくり」千尋のほうを向く、のゆっくりってどのくらい?そしてどんな表情で?などなど。一つ一つの動き、台詞に何万通りもの解釈が可能であり、その中から試行錯誤しながらたったひとつを選ぶそれが演出家の仕事です。

 などとかっこよさげなことを書きましたが実際はこれがまぁ大変。なぜなら演劇において(またその他いろいろなことにおいて)絶対的な答えなど存在しないからです、それでも何とか「これがこの芝居にとって一番いい!・・・かも」というものを探すため、何百回、何千回と脚本を読み込んで全体の流れをつかみ、登場人物一人一人がどんな人間かを掘り下げ、彼らが物語においてどんな役割になっているかを分析し、それを演じる役者の技術、長所短所を知り、彼らと話し合い、舞台空間という物理的制約と照明、音響の技術的制約をくぐり抜け、なんとか自分なり(演出家なり)の答えを見つけ出しみんなに提示する、さらにそこから実際に動き、話している役者を見て、聞いて「やっぱりこっちのほうがいいかな・・・」と揺れ動いたり、「はっきりしろ!」と役者にぶっとばされたり(たいていのしっかりした演出家ならぶっとばされることはあまりありません)など悪戦苦闘を繰り返し、それを積み上げながら一つの芝居を作り上げていきます。

 そして本番当日、客席で舞台を見守りながら役者の動きひとつひとつお客さんの反応ひとつひとつにいちいちハラハラドキドキして、舞台が終わるころには屍みたいになっていたり、満面の笑みを浮かべて「ブラボー!ブラボー!」と叫んで隣のお客さんに気持ち悪がられるのが僕の思う演出家の仕事です。

 まぁ、上にあげたもの以外にも演出家の仕事はいくらでもありますが、演出家というのは「楽しみ」と「苦しみ」の両方をいやというほど味わえるものです、もし、すこしでも演出に興味があるのなら、あなたもどこかの劇団で(できればダダンで)演出をやってみませんか?稽古場でお待ちしています。

脚 本

仕事内容は、脚本を締切までにあげ、演出と相談しながら随時更新し、素敵な内容に仕上げる、ただそれだけ!文章を書くお仕事です。

ある程度の文章能力と、書きたい!という想いがあればできると思います(経験談)。
自分の脚本で演劇が行われる場合、自分の頭の中で想像(妄想)したことが実際に目の前で形になるという喜びが貴方を待ち受けています。自分の想像した世界が創造されるのです。つまり、ある程度やりたい放題にできるわけですね。やったぁ!達成感も人一倍!趣味も丸出せる!
やりがいのあるお仕事です。

役 者

他人を演じるということは、社会では詐欺行為に他なりません。
演じることは人を騙すから不法行為に当たるのではなく、行為そのものがこの世界のどんなものにもかえ難い快楽を生むからです。
他人を演じるにはもちろん色々なものを使います。脳、声、顔、身体…つまり、自己を総動員しなければいけないのです。
しかし別の視点に立ってみると、こういうことも言えます。「演じることは自己の再発見である。」と。演じるということは他人の皮を着ることではなく、自己を変形させていくことなのです。
僕には意を決して守るべき自己はありません。しかし柔軟に、刺激的に変形していく自己はあります。何事においてもそうでありたいと思います。


舞台監督

舞台監督略してブカンは、裏方スタッフのドンです。リーダーです。
各スタッフや役者の動向を把握し、芝居づくりを円滑に進めるための努力をします。小屋(劇場)ではみんなを仕切ります。
そんなブカンのお仕事は、小屋の予約、ガムテープなどのテープ類の管理、運搬用トラックの手配、各種必要な会議の招集、そして劇団員みんなのスケジュール管理です。

ブカンが一番忙しく、そして一番輝くのは小屋に入ってからです。よりよい芝居を作るために頭も体もフル稼働。みんなに指示を出して舞台をつくっていきます。
ブカンになると、リーダーとしてのスキルがあがります。さらに、スケジューリング能力もあがります。また、芝居づくりに必要な知識も身につけることができます。
何かと大変な仕事ですが、大変なだけに、終わったあとの達成感ははかり知れません。
さあ、あなたも一緒に充実したブカンライフを。

舞台美術

舞台美術(ダダンでは「舞美」といいます)はいわゆる大道具のことです。
正確に芝居小屋の採寸をし、脚本をしっかり読み込むところから仕事は始まります。次に演出と話し合いをし、コンセプトを本格的に決定していきます。後は外でギコギコ、トンテンカンテン、ペタペタします。

観客の方が初めて劇団ダダンの作品と接するのは舞台です。また、舞台は配置や配色などで役者や演出、さらには作品全体を影から支えています。
舞台が完成したとき、言葉では言い表せない感動があります。是非一緒に舞台を創っていきましょう!

舞台美術の魅力は、意外と体育会系なところです。舞美の流す汗はダイヤモンドです。まぶしいです。
あとはかっこいい用語です。「ナグリ」「ケコミ」「見切り」「パンチ」「サンパチ」「ロクゴ」「ブルシ」「エリック」などなど…
分かって当たり前のものから、ダダンだけで使う用語もあります。とにかくかっこいいです。かっこよくなりたい人来てください!とにかくかっこよくなりたい人、待ってます!!

照 明

1.脚本を読み、照明が変化するシーンを確認します。
2.演出さんと相談しながら照明イメージをかためていきます。
3.(通し)稽古ときっかけ会議に参加し、照明を当てる範囲やタイミングを確認します。
4.使える灯体数や種類を確認します。
5.仕込み図(照明の設置図)を作成します。
6.仕込み図を見ながら照明を設置し、演出さんと各シーンの照明を最終決定します。
7.照明が変化するきっかけの練習とゲネ(リハーサル)を行います。
8.本番は照明を操作します。
9.公演後は片付けをします。
お疲れさまでした!

とにかくスタッフをやってみたい方、今まで演劇に関わったことのない方などなど、男女問わず誰でも大歓迎です♪『照明って何するの?』『照明難しそう』という方、安心して下さい!皆大学から始めています☆照明になると役者ができないということもありません!!両方できますよ◎

ダダンには照明以外にも様々な役職があります。
何か一つでも興味があればダダンへ!!一緒にお芝居を上演しましょう!

音 響

音響の仕事内容を紹介したいと思います。

まず、公演の脚本が決定したら、台本を見て出てくる効果音(ドアの音、チャイムの音など)を確認します。
そして、CDやインターネットで探した効果音を演出さんと相談して決めます。
ブリッジ曲(シーンとシーンの間の場面転換の時に流す曲)は、演出さんが決めたり、音響が一緒に選んだりして決めます。
音源がすべて揃ったら、台本にそって一つのMDもしくはCDにまとめて編集します。
本番で機械を操作して、音楽を流します。

とにかく音楽が好きな方、編集や音響操作に興味のある方、男性でも女性でも誰でも大歓迎です☆もちろん初心者の方でも大丈夫!!これを書いている私も、大学生からのスタートです。
また、音響もいいけど、役者もやりたいな…という方も心配なしです♪みんなで協力しあって、両立可能です(*^_^*)
劇中で音楽を流す楽しさは、やみつきですょ(´Д`)☆
一緒にダダンでお芝居を作りましょう(*^_^*)!!

衣 装

衣装は文字通り、役者が舞台で身につけるものを準備するスタッフです。
演出から指示された衣装案にそって、時にはこちらから提案もしながら衣装を調達します。

衣装のお仕事の魅力は、普段自分では買わないような服を買いにいけることです。
また、予算内で調達できるように時には手作りしたりなど、自分のアイデアをいかせる場面がたくさんあります!

小道具

役者が持つモノ、それが小道具です。それを準備するのが小道具担当の仕事です。
演劇とは呪術的なもので、役者とは呪術師、つまり接触の媒介であると寺山修司は言った(らしい…)。
呪術師の気分を疑似体験したいそこのアナタ。演劇部とかいかがでしょうか?

宣伝美術

宣伝美術はチラシ、チケット、看板など人の目に触れるすべてのモノをつくることを仕事にしています。
ほとんど宣伝しなくても即チケット完売の人気プロ劇団と違い、こぢんまりとした学生演劇を世の人が劇を観にきてくれるかどうかの多くの部分は宣伝美術が担っており、それだけ責任とやりがいがあるといえます。
作るものは色々ありますが共通して言えるのは、作るものが劇の持つイメージを伝えなければいけないということ。
いくら劇がおもしろいとしてもその魅力を伝えられなければ世の人は振り向いてもくれません。(結構世の中は厳しいのです)
つまりお客さんを劇場までひっぱってくるのが宣伝美術の仕事、来てくれたお客さんを満足させるのが演出や役者達の仕事なのです。

制 作

制作は一言で言えば公演の運営面に関わる仕事です。つまり公演の運営に関わること全般を担当します。
例えば公演を行うにはお金がかかりますが、その管理は制作が行います。
そして公演を観るにはチケットを買ってもらわなくちゃいけません。そして団員も公演を観てもらうためにチケットを売ってもらわなくちゃいけません。そのチケットや売り上げは制作が管理します。
そしてたくさんのお客様に観に来て欲しいからDMを送ります。これも制作が担当します。 また公演当日、受付や場内スタッフが必要になりますが、その指揮をとるのも制作です。

舞台監督のように、劇場で役者を指揮したりはしません・・・
舞台美術のように、素敵な舞台の製作に関わりません・・・
衣装のように、本番で役者が着るものを考えて準備したりしません・・・
小道具のように、本番で役者が使う道具を準備したりしません・・・
音響のように、芝居を彩る音楽を準備して、操作したりしません・・・
照明のように、芝居を照らす光を考えて、操作したりしません・・・

このように公演それ自体の質に貢献できる仕事はしません。
しかし公演を行うにあたり制作は絶対に必要なのです。だって制作がちゃんと仕事しないと公演そのものが成り立たないんだよ!!

仕事内容は結構きついかもしれません。でも制作ならではの特権、おいしさ、喜びはありますよ。
公演の運営面において最高の権力を握りたい方!!ぜひ制作へ☆


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